2007 Fiscal Year Annual Research Report
X線観察を用いた加熱炉による実験及び数値計算によるコンドリュール形成過程の解明
Project/Area Number |
07J00855
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
上椙 真之 Osaka University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 隕石 / コンドリュール / 再現実験 / 高温加熱炉 / 雰囲気制御 / 透過X線観察 / 数値計算 |
Research Abstract |
1.加熱炉の作成 本年度は加熱実験に使われるX線観察用の加熱炉を作成する準備を主に行った。加熱炉の必要なスペックとして(1)X線を透過し、内部が観察できる、(2)珪酸塩、とくにMgリッチで融点の高い鉱物が隕石中に多く含まれることから、これらを溶融することの出来る1600℃付近の温度を安定して達成する、(3)隕石中に金属鉄粒子が見られることから炉内の雰囲気を制御し、酸化、還元度をコントロールすることが出来る、といった条件があげられる。この条件は(1)外壁、断熱材と炉心管がX線をよく通す(薄い)、(2)高温が実現でき、炉が安定である、(3)密封できる、という条件になる。これらを検討するため、様々な材質の模擬加熱炉を作成し、X線透過撮影及び加熱シミュレーションを行った。この結果、銅の簿板による手作りの外壁が炉壁に、アルミナファイバー素材であるルビールが断熱材として、またアルミナ管に白金線をまいたものが炉心管として最も適していることが分かった。 また(2)の要素として炉心管内で1600℃付近の高温を実現する必要があるが、これまでの炉心管では1300℃を越えると電熱線が破断し、特殊な炉を使わなければこの高温状態を安定して実現できなかった。この原因として電熱線として使われている白金,の消耗、高温時の変形が考えられる。これを抑えるため、白金線を耐火ボンドでカバーする、白金線を断熱材に埋め込むなどの方法を試しているが、現在の所安定した結果は得られていない。今後は炉心管を小型化して雷熱線を太くし、さらに断熱材への埋め込み方法の改良をするといった工夫を行うことで、安定した高温を実現可能かどうかテストを行う。 2.画像解析及び数値計算用ハードウェアの開発、整備 加熱炉が完成した際は大量の画像、動画を解析する必要があり、さらに得られた結果をもとに数値計算を行う計画である。これを行うため、高速計算機を整備した。一度に扱うデータが膨大になることを考慮してディスクアクセス時間を低減するための工夫を多く行い、きわめて短時間で大規模なデータを読み書きする事が可能となった。
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Research Products
(3 results)