2009 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質構造変換酵素PPIaseによる遺伝子発現制御機構論の構築
Project/Area Number |
07J00857
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 塁 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 分子生物学 / 遺伝子発現制御 / クロマチン / 蛋白質構造変換 / 転写 / 生化学 / 生化学 / ヒストンバリアント |
Research Abstract |
Fpr4によるピストンH2B-P106の異性化がどのようにして遺伝子発現制御に関与しているかについて考え、Fpr4がピストンH2AのバリアントHtz1と相互作用するという過去の知見から、Htz1が関係する反応系にピストン構造変換が寄与することを予想した。H2B-P106のすぐC末端側にはピストンH2Bだけが有するαヘリックス(H2BαC)が存在する。ラパマイシン感受性残基がH2BαCの一側面に規則的に位置していることから、このαヘリックスとHtz1に機能的な関連性があると予測した。そこで、H2BαC上の点変異とhtz1遺伝子破壊変異の二重変異による合成致死性を検定したところ、驚くべきことに合成致死性(または合成生育阻害性)を示す残基が、H2BαC上のラパマイシン感受性残基と完全に一致することがわかった。 Htz1が組み込まれたヌクレオソームはゲノム上に10個に1個の割合で存在する。そして、その多くは遺伝子のプロモーター領域に存在し、転写制御に関わることが示唆されている。このことと、Fpr4のPPIase活性がrDNAサイレンシング反応に関わるという当研究室の過去の知見から、Fpr4によるH2B-P106の異性化反応とヒストンバリアントHtz1の両方が関与する分子機構として、rDNA領域上のHtz1局在制御が考えられた。 そこで、Chromatin IPによりrDNA領域上のHtz1とH2Aの局在を観察した。H2B-P106A変異株では、野生株と比べて顕著なHtz1の局在低下が見られ、また逆にH2Aの局在上昇が見られた。この結果を踏まえ、Fpr4によるH2B-P106の異性化がヌクレオソーム中のHtz1とH2Aの交換反応を促進するというモデルを立てた
|
Research Products
(2 results)