2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト脳内の随意運動抑制過程に関する神経ネットワークの解明
Project/Area Number |
07J00860
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中田 大貴 Nagoya University, 医学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 反応抑制 / 機能的MRI / Go / No-go |
Research Abstract |
本年度は、脳のどの領野において運動抑制が行なわれているのかを詳しく検討するために、脳神経活動に伴う局所的な循環やエネルギー代謝の変化をとらえる機能的MRIを用いて検討した。近年、特にここ10年の間に、著しい進歩を遂げた医用画像法の1つである磁気共鳴断層画像法の応用により、全く傷をつけずに、ヒトの脳がどこでどのように働いているかを外部から観察することが可能である。また、運動遂行・抑制過程を検討する際の課題として、これまで多くの研究で用いられてきたGo/No-go課題を用い、またその中でも一般的な視覚刺激によるものではなく、体性感覚刺激によるGo/No-go課題を行なった。その理由として、ただ単に機能的MRIを用いた先行研究の実験結果と対比することが可能であるためだけではなく、私自身がこれまで行なってきた脳波・脳磁図による結果とも対比することができるためである。実験課題は、動作Go/No-go課題と計数Go/No-go課題の2つを行なった。その結果、運動抑制(No-go)の際に、DLPFC(dorsolateral prefrontal cortex),VLPFC(ventrolateral prefrontal cortex),pre-SMA/MFG(pre-supplementary motor area/middle frontal gyrus),IPL(infeior parietal lobule(IPL,Insula,ACC(anterior cingulate cortex),Insula,TPJ(temporoparietal junction)といった脳部位が活動することが明らかとなった。また、これらの活動部位は、計数課題におけるNo-go刺激にも見られたことから、一連の抑制過程は、動作や計数といった行動に関わらず、共通の神経ネットワークが関与していると考えられた。我々が「何かをしない」といった時には、ヒト脳内においては、DLPFC,VLPFC,IPL,pre-SMA,ACC,Insula,TPJの神経ネットワークが関与していることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)