2007 Fiscal Year Annual Research Report
キャビティーリングダウン法と質量分析法を組み合わせた新しいエアロゾル研究
Project/Area Number |
07J00880
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
江波 進一 Nagoya University, 太陽地球環境研究所, 特別研究員(PD)
|
Keywords | エアロゾル / 質量分析法 / 不均一反応 / オゾン / 光化学スモッグ / 表面反応 / ハロゲン / 対流圏 |
Research Abstract |
Electrospray mass spectrometry(ESMS)と気体オゾン導入を組み合わせて、液体エアロゾルと気体オゾンとの反応を測定する装置を開発した。ESMSの原理よりエアロゾルの表面上の化学変化をミリ秒オーダーで検出できる。それにより従来測定できなかったエアロゾルの表面での不均一反応を調べることができるようになった。この装置を用いてヨウ化イオンを含んだ海塩粒子と気体オゾンが反応することによって、大気中にハロゲン化合物が放出されることがわかった。これはThe Journal of Physical Chemistry.A,American Chemical Society,2007,111,8749に掲載された。また同装置を用いて液相、気相での速度定数は気・液境界のような不均一相では応用できないことを明らかにした。液相においてヨウ化イオンはチオスルファトイオンよりも約3倍速くオゾンと反応することが知られているが、気・液境界においては逆の反応性を持つことを明らかにした。これはThe Journal of PhysicalChemistry A,AmericanChemical Society,2007,111,13032に掲載された。これらの研究はACS 234th National MeetingとAGU 2007 FallMeetingでそれぞれ学会発表された。これらの成果は新しい不均一反応測定装置として重要であり、今後のさまざまな分野への応用が期待される。
|