2007 Fiscal Year Annual Research Report
可視光を利用した細胞包括サブシーブカプセルの作製と効率的製造プロセスの構築
Project/Area Number |
07J00897
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
牟 倡駿 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 可視光照射 / 感光性高分子 / 高分子の光架橋反応 / Coflowing stream法 / 細胞包括カプセル |
Research Abstract |
本研究の目的は可視光の照射を利用した迅速かつ簡単な細胞包括サブシーブカプセル(直径:100μm以下)の作製である。この目的を実現するために最も重要なことは、可視光の照射によりゾルーゲル変化が可能な高分子材料の開発である。平成19年度の主要な計画はこの感光性高分子材料の開発であった。アルギン酸は藻類から抽出した天然高分子であり、組織工学領域で頻繁に使用されている。そこで、このアルギン酸に化学修飾を施すことによって感光性アルギン酸の作製を行った。作製された感光性アルギン酸は可視光(470nm,1000mW/cm^2)の照射で迅速なゾルーゲル変化が可能であった。この感光性アルギン酸の細胞毒性評価を行ったところ、細胞活性に影響を与えないという結果が得られた。つまり、細胞毒性のない新規感光性高分子材料の開発に成功したと考えられる。次に、この材料を用いて細胞包括カプセルの作製を行った。その結果、可視光の照射による細胞包括カプセル(直径:200±12μm)の作製に成功した。作製直後カプセル内細胞の生存が見られた。しかし、可視光照射時に生じるラジカルが細胞に影響を与えるため、作製したカプセルの粒径を目標である100μm以下にすることができなかった。今後、細胞包括サブシーブカプセルを作製時、細胞に与える影響を最低限に抑えるための可視光照射条件の最適化を行う。 要約すると、本年度の研究では、天然高分子に化学修飾を施すことによって感光性アルギン酸の作製に成功した。また、その材料を用いて可視光の照射を利用した細胞包括カプセルの作製という新規な手法が可能なことが実証された。
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Research Products
(1 results)