2008 Fiscal Year Annual Research Report
可視光を利用した細胞包括サブシーブカプセルの作製と効率的製造プロセスの構築
Project/Area Number |
07J00897
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
牟 倡駿 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 光重合反応 / 可視光 / 細胞包括マイクロカプセル / 粒径制御 / スチリルカルボキシメチルセルロース / メタクリルアルギン酸 |
Research Abstract |
本研究の目的は、光重合反応により多様な用途に利用できる動物細胞包括マイクロカプセルを迅速かつ簡単に作製できるプロセスを構築することである。光重合反応を起こす光源として細胞や組織に害を与えない可視光を選択した。平成19年度は、藻類から抽出し九天然多糖であるアルギン酸にスチリル官能基を導入することによって可視光の照射によりゲル化できる光重合性アルギン酸の作製に成功した。これを用いて細胞包括マイクロカプセルの作製も行った。20年度は、カルボキシメチルセルロース(CMC)に同じくスチリル基を導入することによって新規な光重合性スチリルカルボキシメチルセルロースの作製に成功した。この材料を用いて細胞包括マイクロカプセルを作製した後、二週間以上に渡って培養を行った結果、細胞はマイクロカプセル内で活性を維持することが確認できた。また、粒径も以前開発したCoflowing stream微粒子化法の相対流速を変えることによって制御できた。他に、アルギン酸にメタクリル基を導入することによって新たな光重合性高分子の作製にも成功した。材料の細胞適合性を確認した上で、このメタクリルアルギン酸を用いて細胞包括マイクロカプセルの作製を行った。細胞はマイクロカプセルに包括された直後7割以上の生存が確認できた。今後、長期に渡ってこの細胞包括マイクロカプセルの機能評価などに関して更に検討することを予定している。 要約すると、平成20年度の研究では以前から検討してきたスチリル基導入光重合性高分子を用いて細胞包括マイクロカプセルの作製に関する研究を一層前進させた。また、細胞包括マイクロカプセルの作製に滴用可能な光重合性高分子メタクリルアルギン酸の作製にも成功した。
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