2007 Fiscal Year Annual Research Report
有機単分子膜とナノ加工技術を用いた神経細胞軸索の高精度誘導技術の開発
Project/Area Number |
07J00913
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
山本 英明 Waseda University, 理工学術院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 自己組織化単分子膜 / 電子線リソグラフィー / 半導体ナノ加工 / 神経ネットワーク / PC12細胞 |
Research Abstract |
有機シラン単分子膜(SAM)は細胞と基板との界面として機能し、膜の前駆体分子を適切に選ぶことにより、神経細胞の基板への接着を促進および阻害することができる。シリコン基板上に神経細胞ネットワークを構築するために、下記の研究を実施した。 【細胞接着を促進・阻害するSAMの検討】細胞接着を促進する表面として、(1)APTES(NH_2基末端)SAM、(2)RGDペプチド+APTES SAM、の2種類の基板を作製した。両基板上でPC12細胞を培養した結果、(1)(2)の基板で約一ケ月に渡って細胞の接着を支持できることが分かった。さらに、細胞接着を阻害する表面として、(3)OTS(CH_3基末端)SAM、(4)ODS(CH_3基末端)SAM、(5)PEG(polyethyleneglycol)SAM、をそれぞれ作製し、その上で細胞培養を行った。どの基板も細胞接着を阻害したが、(3)および(4)の基板で、細胞接着が最も抑制された。 【SAMパターンの作製】ODS単分子膜が電子線に対するポジ型レジストとして機能することを利用し、ODS単分子膜に直接パターンを描画して、SiO_2/ODSパターンを作製した。その後、SiO_2領域をAPTES単分子膜で埋め、最小300nm、最大40umのAPTES/ODSパターンを作製した。 【SAMパターン上でのPC12細胞の培養】APTES/ODSパターン上に、PC12細胞を1週間培養した。接着促進性のAPTES領域に、多くの細胞が優先的に吸着する傾向が見えている。接着阻害性のODS領域では、細胞は物理的に吸着することはあっても、接着・伸展することはない。 上記実験を推進する一方で、有機シラン単分子膜/SiO_2基板混在系の分子モデリングにも取り組み、単分子膜/SiO_2界面の結合状態が分子配列の秩序性に与える影響を明らかにした。
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Research Products
(8 results)