2008 Fiscal Year Annual Research Report
有機単分子膜となの加工技術を用いた神経細胞軸索の高精度誘導技術の開発
Project/Area Number |
07J00913
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
山本 英明 Waseda University, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 神経細胞 / PC12細胞 / 自己組織化単分子膜 / 電子線リングラフィー / 神経ネットワーク / カルシウムイメージング / Fluo-4 / ナノバイオ |
Research Abstract |
【目的】脳は1000億個の神経細胞が織り成す複雑なシステムであり、感覚情報処理から高次脳機能にいたるその機能の諸原理を物理学的に理解するためには、機能素子である神経細胞の集団的な活動様式に関する知見の獲得が必要である。神経細胞を、局所的に細胞親和性が改質された基板上で培養すると、細胞は親和性の高い領域に選択的に接着し、神経突起を伸長させる。本研究ではこの特性を応用し、単一細胞レベルで制御された入出力接続を有する小さな神経回路を、数個の神経細胞を構成要素として再構築するための、ナノ改質基板の開発を行った。 【ナノ改質基板上でのPC12細胞の培養】電子線リングラフィーを用いて、メチル基末端のODS SAM(接着阻害領域)およびアミノ基末端のAPTES SAM(接着促進領域)をガラス基板上にパターニングした。細胞培養実験には、神経細胞のモデル細胞として、ラットの副腎髄質褐色細胞種から株化されたPC12細胞を用いた。培養期間中、培地に神経成長因子を添加し、PC12細胞を神経細胞様に分化させた。ナノ改質基板上でPC12細胞を3日間培養したところ、APTESパターン上に細胞体が接着し、また神経突起を伸長させている様子が確認できた。 【カルシウムイメージング法の確立】PC12細胞は神経細胞と同様に、脱分極時に細胞内遊離カルシウムイオン濃度([Ca^<2+>]_i)が一過性に増加するため、これを指標として、細胞集団の活動を可視化し、機能的な接続形成の有無を調べることができる。そこで予備的実験として汎用プラスチックディッシュ上で、細胞の[Ca^<2+>]_iの変動を可視化する条件を確立した。カルシウムイオン感受性の蛍光指示薬fluo-4を濃度10μMでPC12細胞に導入し、その後に、培地にKClやニコチンを加えて細胞を刺激すると、[Ca^<2+>]_iの増加を蛍光強度の増加として可視化できることが分かった。
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Research Products
(11 results)
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[Presentation] 情動行動の多次元固有空間表現モデル2008
Author(s)
小柴満美子, 三村喬生, 石崎美由紀, 岩渕奈緒子, 白川由佳, 深澤総一, 奥谷晃久, 清水航記, 杉浦寧, 妹尾綾, 望月大二郎, 山本英明, 田中聡久, 中村俊
Organizer
第18会 日本数理生物学会大会
Place of Presentation
同志社大学(京都府)
Year and Date
2008-09-17
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