2007 Fiscal Year Annual Research Report
ピリドキサミン-ピルビン酸アミノトランスフェラーゼの立体構造解析と機能改変
Project/Area Number |
07J00914
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
吉金 優 Ehime University, 連合農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | アミノトランスフェラーゼ / ピリドキサミン / ピリドキサール / X線結晶構造解析 / ピリドキサール5'-リン酸 |
Research Abstract |
ピリドキサミン-ピルビン酸アミノトランスフェラーゼは,補酵素としてピリドキサール5'-リン酸(PLP)を要求しない唯一の酵素である.また,PLPやピリドキサミン5'-リン酸を補酵素とも基質ともせず,それらのリン酸基を欠くピリドキサールやピリドキサミンを基質とする.本酵素とPLP依存性アミノトランスフェラーゼの構造的・機能的関連性を明らかにするため,本酵素のX線結晶構造解析を試みた. 遊離型酵素および基質ピリドキサール,基質ピリドキサミン,2基質複合体アナログであるピリドキシルL-アラニンとの複合体の構造をそれぞれ2.0,1.7,1.7,2.0Å分解能で決定した.本酵素のサブユニットは,大ドメイン,小ドメインの2つのドメインからなり,4つのサブユニットが会合した4量体構造であった.PPATとPLP依存性アラニン-グリオキシル酸アミノトランスフェラーゼの全体構造および活性中心の構造は非常に類似していた.この結果と速度論解析および分光学的解析から,本酵素とPLP依存性アミノトランスフェラーゼは,触媒塩基であるリジンを介したよく似た機構により触媒されることが明らかになった.しかしながら,本酵素は、グルタミン酸68の存在により,PLPのリン酸基が結合する空間がなく,ピリドキサミンやピリドキサールに特異的に作用することが明らかになった.また,本酵素の活性部位近傍には,基質の出入りが可能な大きな空間が存在することから,ピリドキサミンやピリドキサールを解離しやすい構造をもつことが示唆された.
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