2008 Fiscal Year Annual Research Report
新育種法のためのアポミクシス遺伝子座解析とその導入方法の開発
Project/Area Number |
07J00950
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
和田 直樹 Osaka University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 植物形質転換 / バイオティブビーズ法 / 巨大DNA / 人工染色体 |
Research Abstract |
本年度は、イネに対する巨大DNA導入システムを改良することを目指し、まずバイオアクティブビーズ法(BAB法)によって巨大DNAを導入した形質転換イネにおける導入DNAの再編成の解析を行った。他の手法により巨大DNAを植物に導入した際には、導入DNA内にDNAの挿入、欠失、置換などの再編成が起きる事が知られている。しかしながら、本手法で巨大DNAを導入した際の再編成については未だ解析されていない。そこで、導入したBAC DNAをプローブに用いてExtended DNA Fiber FISH(EDF FISH)を行った。イネゲノムの中に導入されたDNA断片をEDF FISH法によって可視化する事により、上述したような再編成を解析する事ができる。EDF FISHの結果、導入BAC DNAをプローブにした場合には良好なシグナルを得ることができなかった。今後、導入DNAの再編成の可視化に成功するためには、さらなる条件検討が必要だと考えられる。 また、BAB法には、一度の形質転換実験に大量のDNAが必要という問題点があった。BAC DNAのように、一度に単離できる量の少ないDNAを材料として用いる場合、これは大きな問題となる。そのため、本年度は10分の1のスケールで形質転換を行う系の確立をめざし、諸条件の検討を行った。その結果、細胞数を通常の系と同数にした条件では、系とDNA量を10分の1にしても形質転換効率には影響がない事を示唆する結果が得られた。 さらに、現在導入できるDNAサイズの限界を調べるため、二つ以上のBAC DNAの共導入実験も行っている。 これらの改良を通して、本手法による巨大DNA導入システムがさらに実用的なものになり、アポミクシス遺伝子領域を巨大DNAとして導入するためのツールを確立する事ができると考えられる。
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Research Products
(4 results)