2009 Fiscal Year Annual Research Report
新育種法のためのアポミクシス遺伝子座解析とその導入方法の開発
Project/Area Number |
07J00950
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
和田 直樹 Osaka University, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 植物形質転換 / バイオアクティブビーズ法 / 巨大DNA |
Research Abstract |
これまでの研究を通して、アポミクシス遺伝子座を含む巨大DNA断片を導入する方法として期待されたバイオアクティブビーズ法に関して、いくつかの改良すべき点が浮かび上がってきた。そのため、まずバイオアクティブビーズ法を用いて関与するゲノム領域をそのままイネに導入するという本研究のアプローチが有効であるかを検証する必要があった。今年度は、形質転換イネにおいて、期待された表現型が観察されるかどうかをまず調べた。この形質転換体には、タルホコムギ種子の硬軟質性に関与するゲノム領域がそのまま導入されている。この形質転換イネ由来の胚乳を電子顕微鏡で観察し、さらにその米粉の特性を物理化学的手法を用いて解析した。その結果、形質転換されたコメにおいては、胚乳が間隙の多い構造をとっていることが観察され、また物理化学特性については、米粉の粒子サイズが小さくなっていることが分かった。これらの結果は、硬軟質性に関与するゲノム領域を巨大なDNAとして導入し、期待する形質を付与するという研究アプローチが有効なものであるという事を示している。 また、バイオアクティブビーズ法で導入できるDNAサイズを検討するため、二つ以上のBAC DNA(約100kb)の共導入実験を行った。その結果、二つのBAC DNAの共導入に成功した。それぞれのBAC DNA由来の遺伝子の存在をPCR、サザンハイブリダイゼーションによって確認した。 これらの結果は、バイオアクティブビーズ法がアポミクシス関連ゲノム領域を含む巨大DNA導入に対して有効である可能性を示唆している。しかしながら、導入されたDNA断片の再編成など昨年度得られた結果とあわせて考えると、未だ改良が必要な段階であるといえる。
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Research Products
(4 results)