2008 Fiscal Year Annual Research Report
不斉炭素-炭素結合形成反応を指向した光学活性触媒の開発
Project/Area Number |
07J00959
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
田中 孝徳 Kobe University, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 触媒的不斉反応 / 炭素-炭素結合形成反応 / シッフ塩基 / ジアルキル亜鉛 / 光学活性触媒 |
Research Abstract |
1.光学活性シッフ塩基を用いたジアルキル亜鉛のアルデヒドへの不斉1,2付加反応の発展 光学活性シッフ塩基-亜鉛触媒を用いた不斉反応の発展として、アルデヒドの不斉n-ブチル化反応および触媒量の低減化について取り組んだ。光学活性シッフ塩基配位子は天然アミノ酸由来のβ-アミノアルコールを用いて容易に合成でき、高い不斉認識能をもつ有用な不斉配位子である。不斉配位子の置換基を種々検討する中で、3,5-ビスメトキシフェニル基を持つシップ塩基が不斉アルキル化反応において効果的であることを見いだした。具体的にはベンズアルデヒドの不斉エチル化反応において、0.1mol%の触媒を用いても95% eeという高い不斉収率にて光学活性第二級アルコールを得ることができた。また、不斉n-ブチル化反応では様々なアルデヒドに対して最高98% eeと高エナンチオ選択的に反応が進行することを見いだした。 2.光学活性シッフ塩基配位子を用いたアルデヒドの不斉Reformatsky反応の開発 触媒量の光学活性シッフ塩基配位子存在下でアルデヒドにヨウ化酢酸エチルとジメチル亜鉛を作用させることにより、光学活性β-ヒドロキシエステル類が得られた。エナンチオマー過剰率は最高で72% eeと改善の余地はあるが、収率よく生成物が得られた。さらに、この不斉触媒系は芳香族ケトン類に対しても用いる事ができ、アセトフェノンとヨウ化酢酸エチルから第三級の光学活性β-ヒドロキシエステル類が63% eeで得る事ができた。なお、この反応では分子状酸素が活性化剤として重要な働きをしている。
|
Research Products
(5 results)