2007 Fiscal Year Annual Research Report
不斉炭素-炭素結合形成反応を指向した光学活性触媒の開発
Project/Area Number |
07J00959
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
田中 孝徳 Kobe University, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 触媒的不斉反応 / 炭素-炭素結合形成反応 / シッフ塩基 / ジアルキル亜鉛 / 光学活性触媒 |
Research Abstract |
1.光学活性シッフ塩基配位子の効率合成を目指した活性炭-酸素系を用いたフェノール性水酸基を持つベンジルアルコールのケトン類への酸化反応の開発 本研究課題で用いる新規な光学活性シッフ塩基配位子合成において鍵段階であるフェノール性水酸基を持つベンジルアルコールのケトンへの酸化反応を効率的に行う手法の開発に取り組んだ。この酸化反応を一般的なクロム酸を用いた方法で行うと、フェノール性水酸基部位の過剰な酸化により目的生成物の収率が低下する。種々の検討の結果、金属をまったく用いない活性炭と酸化剤である分子状酸素の組み合わせた系が望みの酸化反応に有効であることを見いだした(59-95%収率)。この方法は操作的に単純であり、環境調和の観点からも望ましい反応系である。 2.光学活性シッフ塩基を用いたジアルキル亜鉛のアルデヒドへの不斉1,2付加反応の発展 2006年にJ.Org.Chem.誌にて発表した光学活性シッフ塩基-亜鉛触媒を用いた不斉反応の発展として、アルデヒドの不斉n-ブチル化反応および触媒量の低減化について取り組んだ。不斉配位子の置換基を種々検討する中で、3,5-ビスメトキシフェニル基を持つシッフ塩基が不斉アルキル化反応により効果的であることを見いだした。具体的にはベンズアルデヒドの不斉エチル化反応において、0.1mol%の触媒を用いても95%eeという高い不斉収率にて光学活性第二級アルコールを得ることができた。また、不斉n-ブチル化反応では様々なアルデヒドに対して最高98%eeと高エナンチオ選択的に反応が進行することを見いだした。
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Research Products
(6 results)