2007 Fiscal Year Annual Research Report
イヌ肥満細胞腫に対するレチノイドの抗腫瘍効果機構の解明ならびに臨床的有用性の確立
Project/Area Number |
07J00962
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮島 望 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | イヌ / 肥満細胞腫 / レチノイド / 分化誘導 |
Research Abstract |
レチノイドの効果発現に関する作用機序を解明するため、細胞内情報伝達やその下流の遺伝子発現を解析し、アポトーシス、分化誘導作用などを確認し、さらに、レチノイド単独投与の場合と比較して、in vitro、in vivoの両面から、併用時に相加、相乗効果が見られるかどうかの検討を行った。 【実験1】レチノイド、ステロイド、抗癌剤の併用 1)in vitro(細胞株を用いた実験) 肥満細胞腫の3細胞株に、ATRA、プレドニゾロン、ビンブラスチンを組み合わせて投与し、増殖抑制試験を行った。結果、単剤の増殖抑制に比べ、2剤、3剤を併用した場合にはより強い増殖抑制効果を示した。 2)in vivo(マウスを用いた実験) ヌードマウスの皮下に腫瘍細胞を投与して腫瘍を形成し、そのマウスにATRA、プレドニゾロン、ビンブラスチンを決まった用量、投与方法で組み合わせて投与し、ATRAの増殖抑制効果を確かめた。現在、ATRA(経口)、ビンブラスチン(静脈内)単独投与は終了し、現在はATRAとビンブラスチン併用投与を進行中である。 【実験2】レチノイドによる分化誘導作用【実験3】レチノイド効果発現に関する、レセプターを介した細胞内メカニズムの解明 肥満細胞の増殖因子SCFの受容体であるc-kit、その転写因子のMITF,RARαの標的遺伝子と言われるC/EBPεなどのmRNAの発現をリアルタイムPCRにより解析した。 また、細胞周期G1期停止のマーカーであるp27の発現などをタンパクレベルで解析し、ATRAによる増殖抑制効果の一つが細胞周期のG1期停止であることを確認するため、実験を進めているところである。
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