2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J01066
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
荒川 幸弘 Toyohashi University of Technology, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | キラル第四級アンモニウム塩 / 高分子固定化型触媒 / 不斉有機分子触媒 / スルホン酸塩型高分子 / 不斉アルキル化反応 |
Research Abstract |
理想的な有機合成プロセスとして水系反応で使用可能な「高分子固定型不斉有機分子触媒」の開発を目的とし、キラル第四級アンモニウム塩の生成条件ならびにそれらの高分子への固定化法を徹底的に調査した。その成果として、我々はあらゆるキラル第四級アンモニウム塩を容易に高分子へ固定化することのできる新たな手法を見出した。従来開発されてきた手法は、キラル第四級アンモニウム塩構造を共有結合を介して高分子鎖へ固定化させるものであった。しかしながら構造中になんらかの反応性官能基を導入する必要があるため、これまでは予め固定化に敵した数ケ所の反応点を有し、かつ不斉有機分子触媒優れた性能が認められているシンコナアルカロイド誘導体の固定化に限定されていた。我々は、スルホン酸塩基(-SO_3^-X^+)をペンダント有するポリスチレンを設計し、その体力チオン(X^+)として種々のキラル第四級アンモ」ニウムカチスレンを固定化させることに成功した。この手法を用いれば、構造中に官能基を修飾することなく、目的の不斉反応に応じて適切な構造のキラル第四級アンモニウム塩を容易に高分子に固定化することが可能である。特に我々は、現在最も優れたキラル相間移動触媒の一つとして知られる丸岡らによって開発されたキタル第四級アンモニウム塩構造を高分子に固定化することにも成功し、工業的応用も十分に期待できる成果を得た。この高分子不斉触媒は、グリシン誘導体の水系での不斉アルキル化に反応において、対応する光学活性体を高収率、98%eeで与え、しかも触媒性能を損なうことまくすくなくとも3回の再使用が可能であることが確認された。
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Research Products
(11 results)