2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J01074
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北 倫子 Osaka University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DCI)
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Keywords | 軌道自由度 / モット転移 / 非局所的揺らぎ / 近藤効果 / 量子ドット系 |
Research Abstract |
遷移金属化合物などの強相関電子系において、電子の持つ軌道自由度に起因した多彩な物性が数多く発見され注目を集めている。本研究では、軌道自由度を持つ強相関電子系を記述する模型として軌道縮退ハバード模型を取り上げ、特に金属絶縁体転移近傍における非局所的なスピン・軌道揺らぎの効果について、クラスタ動的平均場理論を用いた解析を行った。クラスタ動的平均場理論は、動的平均場理論における有効不純物模型をクラスタに拡張することによって、非局所的な揺らぎの効果を取り入れる方法である。得られた結果は、動的平均場理論によるものと定性的に異なり、モット転移近傍の物性における非局所的なスピン・軌道揺らぎの重要性を明らかにした。今後、より一般的に軌道の対称性が破れている場合についても解析を行う予定である。 また、量子ドット系などのナノスケール電子系においても、微細加工技術の発達に伴い、電子の持つ軌道自由度を制御することが可能になってきている。本研究では、三軌道自由度を持つ量子ドット系における複数電子が関連した近藤効果の系統的な解析を行った。フント結合やドットの形状歪みが近藤効果および輸送特性に及ぼす影響についてまとめ、現在論文に投稿中である。
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Research Products
(4 results)