2007 Fiscal Year Annual Research Report
MICE実験におけるミューオン・イオン化冷却の研究
Project/Area Number |
07J01091
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
坂本 英之 Osaka University, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | ミューオン / イオン化冷却 / MICE実験 |
Research Abstract |
ニュートリノ振動パラメーターの精密測定およびレプトニックなCPの破れを見つけるための究極の手段としてミューオン蓄積リングを基礎とするニュートリノ・ファクトリ計画が考えられている。しかし、現在の加速器ではアクセプタンスが小さいため、大強度のミューオン・ビームを効率よく加速できない。計画実現のためには、ビーム冷却によりエミッタンスを縮小させることが必須条件である。これを解決する手段としてイオン化冷却法が提唱されている。しかし、原理こそ提唱されているものの未だ実証されていない。そこで実証実験としてMICE (Muon Ionization Cooling Experiment)実験が計画された。本研究の目的は、MICE実験においてこれまでに開発したMICE実験用SciFi飛跡検出器を用い、ミューオンのイオン化冷却法を実証することである。 本年度においては、MICE実験用SciFi飛跡検出器を構成する10台のステーションとバックアップ用の5台について品質試験をおこない、設計どおりの光量が得られることを確認した。その後、英国ラザフォードアップルトン研究所にて1台目の飛跡検出器の組み立てを完了した。MICE用ビームラインの調整のために、16チャンネルマルチアノード光電子増倍管を用いたビームプロファイルカウンターを製作した。また、ALICE実験で用いられるフレームワーク(DATE)を基礎とする、MICE実験用SciFi飛跡検出器のデータ取得プログラムの開発をおこなった。
|