2007 Fiscal Year Annual Research Report
不均一系触媒による超臨界二酸化炭素中の高効率化学品合成の開発
Project/Area Number |
07J01147
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
關 祐威 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 超臨界二酸化炭素 / 連続流通式水素化 / 不均一系触媒 / パラジウム担持酸性樹脂 / ワンポット合成 / 高圧ATR-IR / イオン性液体 / CXLs |
Research Abstract |
【触媒反応】本研究員らは、スルホン酸基を有する酸性樹脂であるAmberlyst[○!R]15へPd粒子を担持させた触媒が、超臨界二酸化炭素中の有機化合物の連続流通式水素化に対し、ユニークな活性・選択性および長寿命を示すことを見出した。本触媒、1%Pd/Amberlyst-15,はC=C結合水素化に対しては従来から汎用されている1%Pd/Cと同等ないしより高い活性を示すのに対し、C=O結合水素化に対しては1%Pd1Cよりもずつと低い活性を示す。また、この触媒は酸性であるために、C=C結合水素化および酸触媒反応から成る多段階合成反応を一段階で促進する性質も持つ。実際、本研究員らは、1%Pd/Amberlyst-15がクロトンアルデヒドから工業的に重要な2-エチルヘキサナールを、C=C結合水素化、アルドール縮合、C=C結合水素化を経て一般階で効率良く与えることを見出した。EXAFS,XPS,一酸化炭素をプローブ分子として用いるDRIFT赤外分光法および金属分散度の測定から、活性点はプロトンが付加したPd原子であると結論した。この活性点は金属・酸両方の性質を有するため、"ハイブリッド"サイトとして機能することを提案した。 【分光】最近、高圧CO_2下の液体が"CO_2-Expanded Liquids"(CXLs)として注目されている。CXLsには大量のCO2が溶け込んでおり、温度・圧力を変化させることにより物理・化学的性質を変化させることができるので、反応媒体としての活用が期待されている。本研究員らは、ATR-IR分光用高圧反応セルを使用して、高圧CO_2下で膨張した様々なイオン性液体中の分子間相互作用を調べた(論文投稿中につき詳細な内容の記述は不可)。 【総説の作成】本研究員らは、2007年半ばまでに発表された超臨界流体中での固体触媒を用いる有機化合物の水素化研究を総説にまとめて発表した。
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Research Products
(5 results)