2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J01149
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堀田 暁介 Osaka University, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 超弦理論 / 超重力理論 / ブラックホールエントロピー |
Research Abstract |
超弦理論、或いはより一般的な重力理論に対して、その量子論的な描像を記述するために、重力/ゲージ対応という考え方が近年盛んに使われている。すなわち重力理論を一次元低い場の理論(ゲージ理論)として記述できるというのである。それを使えば、重力理論側でその微視的な起源の理解が求められているブラックホールのエントロピーというものを、それに双対な場の理論の自由度の数え上げとして解釈することができる。この重力/ゲージ対応の妥当性が証明され、その理解が進めば、重力の量子論を解き明かす鍵になると考えられる。 今年度の目標として、その重力/ゲージ対応が高階の微分項を含む一般の重力理論にも成り立ちうることを確認した。 そこでまず、3次元重力+スカラーの理論に、更に高階微分項である重力Chern-Simons項というものを足したものについて、Hamilton-Jacobiの定式化を用いて、双対な2次元の場の理論の振舞いを解析した。その結果、重力Chern-Simons項がない場合に比べて、左右で値の異なる、いわゆるc関数を定義できることがわかった。これらがくりこみ群の固定点では左右非対称なセントラルチャージを与えることも含め、この定義はパリティを破る一般的な2次元理論のc定理と矛盾しない。またそのc関数の差は3次元重力Chern-Simons項の係数のみで決まる定数であることも明らかになった。 結果、3次元重力理論の場合はそのような高階微分項があっても、双対な2次元場の理論が存在することが証明され、重力/ゲージ対応の理解がより深まったといえる。
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Research Products
(1 results)