2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J01170
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高井 啓二 Osaka University, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | EMアルゴリズム / 制約 / 潜在クラスモデル / 無視不可能な欠測 |
Research Abstract |
本年度は,制約のあるEMアルゴリズムとその応用について研究を行った.ここで言う制約とは,解析者の考えを等式の形で表現した制約式のことである.EMアルゴリズムは,欠測値や潜在変数が含まれた統計的モデルのパラメタ推定に用いられるアルゴリズムである.EMアルゴリズムによって,目的関数を単純に変形し,安定的・簡単にパラメタ推定を行うことができる.しかし,制約がある場合には,EMアルゴリズムはうまく働かないことが報告されている.特に離散分布に基づくモデルに対しては,制約がある場合にはEMアルゴリズムは,パラメタ空間に入ちない推定値を返したり,制約を満たさない推定値を返したりすることが多々ある.制約のあるEMアルゴリズムはこの問題に対処するための方法である. まず本アルゴリズムを,無視不可能な欠測のある2×2分割表における推定の問題に適用した.また,等式制約・等値制約のある潜在クラスモデルにおける推定問題にも適用した.これらは,多項分布と呼ばれる離散分布に基づくモデルである.前者の無視不可能な欠測の問題に対しては,本アルゴリズムだけでなく漸近分布についての研究も行っている.後者の潜在クラスモデルに対しては,本アルゴリズムを適用するだけでなくStep-halvingと呼ばれる方法を用いた.本アルゴリズムは,いわゆるCoordinate Cyclic methodであるため,更新幅を調節できず単調増加しない欠点があったが,Step-halvingを用いることにより,更新幅を調節し単調増加を達成することができた.
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Research Products
(9 results)