2007 Fiscal Year Annual Research Report
全天探査広視野MeVガンマ線カメラの開発及び気球実験による天体観測
Project/Area Number |
07J01178
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上野 一樹 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ガンマ線天文学 / コンプトンカメラ / イメージング / ガス検出器 / シンチレータ / LSI / 気球実験 / TPC |
Research Abstract |
現在、次期気球実験に向けた30cm角サイズのガンマ線イメージング検出器の開発を進めている。気球搭載時の上空での限られた電力を考慮した場合、10cm角サイズ検出器の読み出し回路の使用が難しいことがわかっている。そこでこの問題を解決すべく、30cm角サイズ検出器におけるガス検出器部およびシンチレーションカメラ部それぞれの読み出し回路としてLSIを利用した低電力回路の開発を行った。ガス検出部に関しては、KEKとの協力によりチップの開発を行い、性能評価段階まで進んだ。シンチレーションカメラ部に関しては、既存のLSIを利用した回路を導入・性能評価試験を行い、性能向上と低電力化に成功した。この結果は国際学会、国内学会で発表し、さらにNuclear Inst. and Methods in Physics Research Aに投稿し、高い評価を受けて受理された。また、更なる性能向上、最適化を目的としてLSIを使用しない低電力回路の開発も進めており、現在性能評価段階まで進んでいる。これらと共に、30cm角のMeVガンマ線イメージング検出器の立ち上げを行い、その性能評価を行った。一段階として30cm×30cm×15cmサイズの検出器を立ち上げ、その結果を国際会議にて報告した。二段階として30cm×30cm×30cmサイズの検出器を立ち上げ、その結果を国内学会で報告した。現状の性能は10cm角サイズより多少劣る部分もあるが、イメージングに成功しており、細かい調整を進めることで性能向上が期待できる。並行して、30cm角またはそれ以上のサイズを用いて3時間の観測を行ったときに検出が期待される天体からの光子数を計算した。この結果を基に気球搭載モデルの開発も進めている。
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