2008 Fiscal Year Annual Research Report
全天探査広視野MeVガンマ線カメラの開発及び気球実験による天体観測
Project/Area Number |
07J01178
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上野 一樹 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | γ線 / コンプトンカメラ / 放射線検出器 / イメージング / ガス検出器 / シンチレータ / LSI / シミュレーション |
Research Abstract |
現在、次期気球実験に向けた30cm角サイズのガンマ線イメージン検出器の開発をめている。30cm×30cm×30cmサイズの検出器を立ち上げまでは成功していたが、精度の高いイメージングまでは出来ていなかった。そこで雑音除去や感度補正を行い、さらに新しい解析手法を用いることにより以前よりも精度の良いイメージングに成功した。この結果を2回の国際学会および国内学会にて報告した。現状の性能は良くなったとはいえ、まだ10cm角サイズのものより多少劣っている部分がある。そこで新たにデータ取得システムや解析手法の改善をはかっている。また、基礎的な研究として検出感度をあげるべくガスの研究もはじめているところである。並行して、シミュレーションも行っており、上空にあげたときの光子検出数等の見積もりを進めた。特に上空で問題になるバックグラウンドに関しても進め、この結果に関しては国内学会で報告した。これらを行う一方で、上空で問題となる検出器読み出し回路の電力に関しても研究、開発を進めた。シンチレーションカメラ部の読み出し回路として、LSIを用いないコンパクトで低電力な回路を開発し、性能評価を行った結果、性能向上と低電力化に成功した。また、ガス検出部に関してもKEKと共同でLSIを利用したチップ開発を進めており、改良を進めているところである。以上を基に、気球搭載用モデルの開発に着手しており、さらに将来のことも考慮し、大型化を進めた40cm角サイズ検出器の基礎開発も行っている。
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