2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J01210
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 陽子 The University of Tokyo, 社会科学研究所, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 雇用調整 |
Research Abstract |
東洋経済新報社の「会社財務力ルテ2006年」(収録企業数は4308(製造業1937年、社・非製造業2235社・銀行業136社の財務データ)と、東京商工リサーチ「希望退職者募集状況調査」(希望退職者募集を実施した上場、店頭登緑会社のデータを会社名と希望退職の募集日・応募日の情報がわかるデータ)を利用し、両データをマッチングさせ、1998年から2004年の間に希望退職を実施企業と、非実施企業に関する1997年から2004年の8年分のパネルデータを作成した。 さらに、このデータセットを利用し、2つの諭文を作成させた。まず、伊藤由樹子・玄田有史・高橋陽子(2008)「希望退職とは何だったのか」では、希望退職が実施企業に年2.7%の雇用削減をもたらしたこと、そして、労働生産性を年3%高めたことを確認した。これは、2008年4月、日本経済新聞社から刊行予定である。 2本目は、高橋陽子(2008)「希望退職が生産性に与えた影響」で、現在投稿を検討中である。1本目の論文と異なる点は、テーマを「生産性」に特化したこと、そして推計方法をより精緻にしたことである。希望退職を実施直後は生産性の上昇は観察されないものの、実施2年後には顕著な上昇傾向が観察される(2年後労働生産性を8.0%ポイント、TFPを1.6%ポイント上昇)。また、黒字期の希望退職と赤字期の希望退職の労働生産性上昇を比較すると、赤字企業は2年後に18.2%ポイントを上昇させているが、黒字企業は1年後に生産性を低め、その後生産性に影響を与えていないことがわかった。
|
Research Products
(1 results)