2007 Fiscal Year Annual Research Report
動原体反復配列の構造のDNA変異に対する影響についての研究
Project/Area Number |
07J01211
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
河邊 昭 National Institute of Genetics, 集団遺伝研究系, 特別研究員(PD)
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Keywords | 動原体 / 反復配列 / Arabidopsis / ハクサンハタザオ |
Research Abstract |
本年度は実験に使用する植物材料の採集を行い、主に本州西部の5箇所について植物体及び種子の採集をお行なった。得られた植物に関しては可能なものについて交配し、F1種子を得た。今後さらに地域集団を増やし実験に適した組み合わせを増やしていく予定である。 また染色体の構造がDNA変異に対して与える影響を解明することを目的とし、クロマチン構造の変化が遺伝子の発現の違いに関係していることが明らかになっている遺伝子座についてDNA変異の解析を行った。まず、遺伝子の発現がどちらの親由来かで異って制御されるImprinting機構が知られているシロイヌナズナのMedea遺伝子について異なる種でも同様にImprintingによる制御が起こっているのかについて発現のパターンを確認し、また種内、種間変異の解析を行った。 動原体の構造をさらに遠縁の種と比較するためオーストラリアに生息するアブラナ科のThlaspicaerulescensについて縦列型反復配列の単離をおこなった。シロイヌナズナやArabidopsis属の種とは異なり、ゲノム情報や配列の予想が出来ないためゲノムDNAから高度反復配列を選抜し、1種類の未知の配列を得た。PCRにより縦列型の配列であることを確認した。現在チェコの共同研究者により染色体上の局在を調査中である。また、この種に加え、シロイヌナズナの近縁種であるハタザオ(Turritis glabra)について動原体特異的配列を効果的に単離するためにメチル化DNAを指標としたChIP法を試みている。両種ともに転移因子やrDNAが効率的に得られており、動原体近傍の配列を取得することが可能であることがわかってきた。しかし動原体特異的反復配列と予想される配列は得られず、動原体特異的蛋白質を利用する等さらに異なる方法が必要であると考えられる。
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Research Products
(5 results)