2007 Fiscal Year Annual Research Report
日本のアヴァンギャルド芸術における境界と周縁-1920年代〜50年代
Project/Area Number |
07J01221
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
谷口 英理 Tokyo National University of Fine Arts and Music, 大学院・美術研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 近代日本美術史 / アヴァンギャルド / 前衛 / 美術批評 / 戦時下 / 受容 / 芸術と科学 |
Research Abstract |
1920〜1950年代の日本のアヴァンギャルド芸術を対象とし、背景となる理論的枠組み、作品・活動の実態を多面的に研究することを目的に、研究を進めた。事前に提出した研究計画は、諸般の事情により多少変更し、下記の成果をあげた。 1「戦前と占領下の東郷青児に関する調査。特に、占領下における二科会の動向との関連、及び「性の解放」の風潮との関連についての調査する」件に関しては、東郷青児と戦後の二科会に関する調査を行い、貴重な1次資料である帝都座関連資料を入手することができた。現在、論文を執筆中で、来年度には投稿予定である。 2「花田清輝と戦後のアヴァンギャルド芸術に関する調査・研究。針生一郎氏、池田龍雄氏等の関係者への聴き取り調査、刊行文献の調査・整理」に関しては、花田清輝と岡本太郎を中心に文献を渉猟、精読し、また関連作品を美術館等で観覧した。池田龍雄氏には2度のインタビューを行い、また1950年代の美術出版社を知る元編集者にも数回にわたって聞き取り調査を行った。 3日本におけるレオナルド・ダ・ヴィンチ受容について、主にアヴァンギャルド美術との関わりからまとめ、シンポジウムでの発表および著書(共著)の刊行を行った。 4上記以外に、博士論文の基礎となる枠組み作りと、基礎調査を重点的に行った。結果的に刊行論文等の成果が少なくなってしまったが、研究全体の見通しや方法論の吟味を行うことができた。
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Research Products
(2 results)