2007 Fiscal Year Annual Research Report
次世代の磁気圏探査に向けた中間エネルギープラズマ粒子分析器の開発
Project/Area Number |
07J01222
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
笠原 慧 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 宇宙プラズマ / 中間エネルギー / イオン質量分析 / 片面ストリップシリコン半導体 / APD |
Research Abstract |
次世代の磁気圏探査に向けた、中間エネルギー帯のイオン(10-200keV/q)と電子(5-100keV)を計測ずる分析器の開発が私の課題である。今年度は、まず、中間エネルギーイオン分析器の質量分析部の試験を行った。立教大学のビームラインを用いて10-120keV程度のイオンビームを分析器に照射し、設計どおりの質量分解能が得られる事を確認した。この質量分析器は、私の開発したカスプ型静電分析器と組合せる事により、高い感度と広い視野を兼ね備えた中間エネルギーイオンの質量分析を可能にする、画期的なものである。私は、質量分析器のデザインと試験結果を論文として纏め、IEEE Transactions on Plasma science誌に受理された。次に、中間エネルギーイオン分析部の一部となる、片面シリコンストリップ型半導体検出器の要素試験を行った。片面シリコンストリップ型半導体検出器による中間エネルギー帯のイオン計測は世界で恐らく初めての試みであったが、十分に低いノイズを確認し、また、入射側のデッドレイヤーを薄くする事で10keV(プロトン)程度の低いエネルギーまで計測できる事を明らかにした。さらに、その半導体検出器を質量分析部に組み込み、イオンの質量と電荷の同時計測に成功した。これらの結果を纏めた論文は、Nuclear Instruments and Methods-A誌に投稿中である。さらに来年度には中間エネルギー電子計測のため、アバラシシェフォトダイオード(APD)の高圧4験を行う予定であり、そのための治具や電子部品等の準備を開始した。
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Research Products
(5 results)