2008 Fiscal Year Annual Research Report
メンブレン・ストレスバイオテクノロジーを基盤とする新規な遺伝子制御技術の開発
Project/Area Number |
07J01224
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
ブイ H T Osaka University, 大学院・基礎工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | メンブレン・ストレスバイオテクノロジー / 遺伝子 / 生体膜 / バイオリアクター / 無細胞タンパク質合成系 / 緑色蛍光タンパク質 / リフォールディング / ストレス応答 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、モデル生体膜を利用した、遺伝子発現制御プロセスの検討である。モデル生体膜としてリン脂質二重層の閉鎖系小胞(リポソーム)を用い、緑色蛍光タンパク質(GFP)を対象タンパク質として発現効率を検討した。 本年度は、リン脂質の組成や物理化学的特性(電荷密度、膜流動性、疎水性など)による遺伝子発現効率の制御方法について検討した。 正電荷に帯電したリポソームはGFP発現効率を顕著に低下させた。個々の素過程に対するリポソームの添加効果の検討から、負電荷に帯電したmRNAと正電荷に帯電したリポソーム間の静電的相互作用により、mRNAの翻訳過程が阻害されたためと考えられる。また、負電荷帯電脂質からなるリポソームの場合、遺伝子発現効率の低下は顕著ではなかった。一方、中性脂質の場合、主に相分離性リポソームが遺伝子発現効率を促進させることが見出された。遺伝子発現過程に関わる各種タンパク質や遺伝子代謝産物のリポソーム膜上への集積過程が関与していると推察された。相分離性リポソームは水素結合が不安定な膜構造を有し、タンパク質との複合体形成により安定化を図る性質を有する。したがって、リポソーム膜上に、遺伝子発現に関与する生体分子を集積/提示させることにより、遺伝子発現過程を制御しうることを示せた。
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Research Products
(6 results)