2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J01243
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
猿渡 亜由来 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 砕波 / 飛沫 / ジェット着水過程 / 飛沫生成機構 / 飛沫サイズ分布 / ジェットの分裂分散モデル |
Research Abstract |
砕波ジェットのモデルである二次元シート状のジェットを水槽内の静水面上に着水させた時の水面を水槽上部に設置した高感度カメラにより撮影し,二次ジェットの跳ね上がりから飛沫の生成に至る過程を可視化した.また,水面における力学的相互作用を評価する事が可能な高精度数値計算法を用いて,砕波ジェットモデルとして設定した二次元水塊ジェットを静水面に着水させた時のジェットから飛沫への分裂過程を再現した.次に示す可視化実験及び数値計算により得られた主な研究成果は,砕波に伴う気液混相乱流場の形成過程について新たな知見を与えると共に,砕波に伴い発生する飛沫の飛散を予測する場合の初期条件を決定する際に有用である. 1,ジェットの着水に伴い瞬間的に薄いシート状のジェットが高速で噴出すると共に微小スケールの飛沫群が発生する.これに続いて発達するより大規模なジェットは内部の速度差によりジェット進行方向に強く伸張されフィンガー状に分裂するが,これは更なる分裂を経て着水初期の微小飛沫群よりサイズの大きな飛沫を生成する.この様にジェットの着水過程において二つの異なる飛沫生成機構が存在する事を明らかにした. 2,ジェットの波峰方向の断面長さをジェットの分裂サイズとして定義し,そのサイズ分布を求めた.時々刻々のサイズ分布はあるピークサイズと分散をもつ対数正規分布により近似可能である事を明らかにした.また,ジェットの分裂サイズのピーク及び分散の時間的遷移がウェーバー数に依存する事を明らかにした. 3,ジェットの本体から先端にかけての軸に沿ったジェット流体の存在確率(ジェットの体積率)をジェットの進行と共に分散が増加するガウス分布を確率密度とする累積分布関数で近似した.この時の分布の中央位置及び分散をフルード数とウェーバー数によりモデル化可能である事を示した.
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