2007 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカにおける女性の「エンパワーメント」に関する開発人類学的研究
Project/Area Number |
07J01291
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
浅野 史代 Nagoya University, 文学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ジェンダー / 開発 / 民族誌 / 文化人類学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、アフリカにおける地域共同体組織、ローカル女性NGO、国際NGO組織や国際機関といった複数の社会組織を事例とし、それらにおける「発展」の多様性を明らかにするとともに、それらの比較検討から開発援助政策への新たな視座を構築することにある。特に1年目は(1)内在的視点に基づくアフリカ農村女性の生活理解、(2)ブルキナファソのローカル女性NGO組織、地域共同体の相互扶助組織、の2点に関して分析を試みた。 本年度はこれまでに得られた一次資料を女性の「エンパワーメント」、あるいは女性の生活の視点から分析し、3つの学会で口頭発表をおこなった。会場から得られた質問やアドバイスをさらに詳細に検討し、開発政策で想定されているような「積極的に変革を求める女性」や「様々な要因の犠牲者としてひとくくりにされた女性」と実際のブルキナファソ農村の女性たちとの乖離を考察し、女性たちは開発を第一に望んでいるわけではなく、むしろ消極的な面さえ窺わせることを指摘した論文を執筆し、アフリカ学会誌に投稿し、現在査読中である。 また、ブルキナファソ農村にて2ヶ月間の人類学的手法に基づいた聞き取り調査や参与観察をおこない、それらから得られた一次資料、およびフランスで入手した文献を用いて、既婚女性がオバーメイで結ばれる擬制的親族関係やそこから派生する関係を積極的に利用し、経済的、精神的リスクを回避している実態を、博士論文執筆にむけ考察中である。
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Research Products
(3 results)