2007 Fiscal Year Annual Research Report
計算機シミュレーションによる木星電離圏・熱圏・磁気圏結合電流に関する研究
Project/Area Number |
07J01316
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
垰 千尋 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 沿磁力線電流 / 木星 / 電離圏 / 熱圏 / 磁気圏 / オーロラ / シミュレーション / プラズマ |
Research Abstract |
木星磁気圏-電離圏-熱圏結合系について、領域間の相互作用を考慮し、オーロラ発光に寄与する沿磁力線電流の性質および空間構造の解明するなめに、各領域の相互作用を調査可能なモデルの作成を進めている。本年度は、これまでに開発してきた木星電離圏・熱圏モデルおよび磁気圏-電離圏結合電流モデルそれぞれの拡張を行った。電離圏・熱圏モデルについては、緯度分布を詳細に調査可能な、2次元3成分の大気運動・温度分布を得られるモデルとした。結合電流モデルについて、これまでの一次元モデルを拡張し、磁気圏赤道面内動径方向の空間分布を新たに加え、磁気圏プラズマの共回転速度を同時に解いている。このモデルを用い、いくつかの結合電流構造の調査を行った。 1.観測されるオーロラ発光の緯度幅の朝夕非対称性の要因 有意なオーロラの朝夕非対称性特徴を、観測される磁気圏磁場構造および磁気赤道で観測されているプラズマ高速流の朝夕非対称性が十分に作りうることを示した。シミュレーション結果を解析し、磁気圏磁場構造およびプラズマ高速流による電流の生成要因の特徴を調査した。電気伝導度と磁気圏プラズマ共回転速度の空間不均一性の拮抗により、電流分布が決定付けられた。磁気圏磁場構造は、その空間勾配による電流分布への寄与は小さいが、絶対値の変化を通して沿磁力線電流を増大させ、より狭いオーロラ構造を形成した。 2.太陽紫外線による影響と時間変化 太陽紫外線の日変化に応じて電気伝導度が変化し、その結果、流れる電流量、さらに電気伝導度が変化することにより、沿磁力線電流量およびピーク位置が日変化する様子が、計算で得られた。昼側の紫外および赤外波長域で観測されているオーロラに比べ、夜側の可視オーロラが緯度1度ほど低緯度に見られる特徴を説明するものと考えられる。系のパラメータと結合電流の変動時定数の関係について解釈を深めた。
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Research Products
(4 results)