2008 Fiscal Year Annual Research Report
金属イオン担持アパタイトを用いた有機無機複合化薬物担体の開発
Project/Area Number |
07J01318
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
利根川 亨 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 水酸アパタイト / 金属イオン / タンパク質吸着 / ポリマーコーティング |
Research Abstract |
薬物担体を開発する上で、タンパク質医薬が失活することなく、安定に吸着することが出来、放出性を制御することが重要である。そこで本年度は、昨年度までに開発した薬物担体へのタンパク質吸着を行い、その安定性の評価と、表面コーティングによるタンパク質の放出制御の検討を行った。 タンパク質の吸着では、合成温度や金属イオン濃度の異なる水酸アパタイトを作製し、等電点、分子量の異なるアルブミン、カタラーゼ、グロブリン、ヘモグロビン、チトクロームc、リゾチーム、インスリンの7種類を用いてタンパク質吸着実験を行った。吸着したタンパク質の分析は、赤外分光法、ラマン分光法を用いて行った。吸着したタンパク質は単分子で吸着しており、その2次構造は変化しておらず、タンパク質の薬理効果を失うことなく、担体に吸着し、放出することが出来ることがわかった。 放出性の制御では、生体分解性を有するポリ乳酸を用いてコーティング技術の検討を行った。浸漬法、乾燥法、エバポレータ法の3つのコーティング方法の検討を行った。浸漬法、乾燥法では、共にコーティングしていないサンプルよりも、放出を抑えることが出来たが、放出の初期に現れる初期バーストを抑えることが出来なかった。エバポレータ法では、初期バーストを抑え、7日間のインスリンの持続的な放出を確認することが出来た。このことより、エバポレータ法によりコーティングすることで、均一に粒子をコーティングすることが出来、かつ、放出性を制御することが可能であることがわかった。
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Research Products
(4 results)