2007 Fiscal Year Annual Research Report
出芽酵母における損傷乘り越え型ポリメラーゼPolζ-Rev1の局在制御
Project/Area Number |
07J01321
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
平野 恭敬 Nagoya University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | Polζ-Rev1 / DNA二本鎖修復 / PCNA / Rad6-Rad18 / ユビキチン / Rad30 / Mecl |
Research Abstract |
研究計画に明記した点で特に進展があったのは、Polζ-Rev1によるDNA二本鎖修復経路に関する研究である。私はPolζ-Rev1欠損変異、DNA二本鎖修復に関わる遺伝子の欠損変異を用いて、Polζ-Rev1がDNA二本鎖修復経路で機能することを遺伝学的に明らかにした。Polζ-Rev1はPCNAの機能を必要とすることが知られている.PCNAはDNA複製ポリメラーゼをDNA上にロードするタンパク質である。PCNAは、ユビキチン転移酵素であるRad6-Rad18複合体にユビキチン化され,Polζ-Rev1の機能を促進すると考えられている。しかしながら、PCNAのユビキチン化がDNA二本鎖修復に必要であるかは明らかでなかった。私はRad6-Rad18複合体によるPCNAのユビキチン化がPolζ-Rev1依存的な二本鎖修復に必須であることを、遺伝学的手法を用いて明らかにした。また、PCNAのユビキチン化に制御される他の損傷乗り越えポリメラーゼRad30はDNA二本鎖修復には関与しないことがわかった。以前に報告したように、Polζ-Rev1はDNA損傷を認識するMec1によりDNA二本鎖損傷に局在する。今回、Rad30の局在を検討したところDNA二本鎖損傷への局在は検出されなかった。これらのことから、Mec1によりDNA二本鎖損傷に局在するPolζ-Rev1のみがPCNAのユビキチン化による制御を受け、DNA二本鎖修復に寄与することが明らかになった。それぞれのポリメラーゼは特異的な活性を持つことから、ポリメラーゼの間で使い分けがあると推測されてきた。本研究により、損傷乗り越えポリメラーゼは局在の違いによって使い分けされることが示唆された。現在、上記の結果はDNA repair Journalに投稿し、査読中である。
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Research Products
(1 results)