2008 Fiscal Year Annual Research Report
戦後沖縄復帰運動史における教員社会運動の実証的研究
Project/Area Number |
07J01325
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
戸邉 秀明 Hitotsubashi University, 大学院・社会学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 沖縄 / 戦後史 / 復帰運動 / 教員 / 社会運動史 |
Research Abstract |
1.調査活動:2008年5・6・9・11、2009年1月と5回にわたる現地調査を行った。調査の重点を、(1)教員関係者への聞き取り、(2)沖縄各地の史料所蔵機関の調査に置いたため、その都度の出張回数も増えたが、従来は注意が払われていなかった領域や史料にアクセスすることができた。(1)では、地域社会の文化・教育活動に貢献した元教員、特に沖縄本島中部地域で1960年代以来活動している演劇集団「創造」の中核メンバーから数度の聞き取りを得ることができ、今後の調査への協力も得られた。(2)については、新たに糸満市立中央図書館郷土資料室・西原町立図書館新川明文庫・沖縄市史編さん室で新たな史料の発見を得た。複写によって得られたこれら史料については現在整理中である。なお、昨年度に重点的に史料の複写・撮影を行った史料所蔵機関についても、引き続き追加の調査を進めた。 2.研究成果の発表:今年度は、(1)論文発表、(2)学会報告、(3)資料館展示の監修などで成果を発表する機会を得た。(1)は、1960年代前半の教員の諸活動を一次史料にもとづいて分析した論考により、従来の研究にない視点を打ち出し、研究第2年度目に予定した対象時期の論考を発表できた。(2)では、沖縄戦研究と歴史認識をめぐる研究動向を教育史・社会運動史の観点から見直す議論を提示した。(3)では、早稲田大学大学史資料センターの要請で大濱信泉をめぐる在本土沖縄学生運動や南方同胞援護会を中心とする本土の復帰運動・返還政策に関する史料調査を行い、新たに発見した史料にもとづいて、2008年10〜11月の同大学構内での企画展「ワセダとオキナワ」の全体計画の監修、パネル・キャプション執筆を実現した。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article]2008
Author(s)
日本植民地研究会編(共著)
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Journal Title
日本植民地研究の現状と課題*分担執筆章題:ポストコロニアリズムと帝国史研究(アテネ社)
Pages: 37-70
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[Journal Article]2008
Author(s)
近藤健一郎編(共著)
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Journal Title
沖縄・問いを立てる 第2巻 方言札-ことばと身体*分担執筆章題:沖縄教職員会史再考のために-60年代前半の沖縄教員における渇きと怖れ(社会評論社)
Pages: 155-181
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