2007 Fiscal Year Annual Research Report
外来遺伝子発現を持続させる遺伝子治療用DNA「ステルスDNA」の開発
Project/Area Number |
07J01326
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
落合 浩史 Hokkaido University, 大学院・生命科学院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | silencing / silencer element / ChIP assay / hydrodynamics法 / 活性化 / 持続的 |
Research Abstract |
非ウイルスベクターの遺伝子発現は一過的であり、これはDNAの転写抑制(silencing)によるものであるが、その詳細なメカニズムについては明らかにされていない。我々は、silencingが外来DNA(plasmid DNA)中の特定の塩基配列(Silencer element)起因すると仮定し、クロマチン免疫沈降法(ChIP assay)を用いた解析を行った。 Hydrodynamics法を用いてルシフェラーゼを発現する外来DNA(plasmid DNA)をマウス肝臓に遺伝子導入した後、抑制型ヒストン蛋白質(H3K9me3)を含む種々のヒストン蛋白質との相互作用をChIP assayを用いて経時的に解析した。その結果、プロモーター領域を含むDNAのいずれの領域においても、ヒストン蛋白質との相互作用に大きな変化は観察されず、plasimid DNAのsilencingが特定の塩基配列に起因する可能性は低いことが示唆された。そこで、plasmid DNAが遺伝子導入後に一過的な活性化状態にあると考え、silencingが観察された遺伝子導入後4日目に、生理食塩水のみをhydrodynamics法によって再投与した。その結果、遺伝子発現が劇的に上昇し、silencingが一過的な活性化状態からの回帰であることが明かとなった。 以上の結果は、外来DNAのsilencingがヒストン蛋白質との相互作用非依存的に生じ、かつ可逆的であることを示す結果であり、持続的な非ウイルスベクター開発に大きく貢献する成果である。我々はこれらの結果を踏まえ、自らを積極的に活性化するDNAを構築することで、持続的に発現するDNAの開発につながると考えている。
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