2007 Fiscal Year Annual Research Report
ビナフチル骨格を有する新規軸不斉二級アミン触媒の創製と不斉反応への応用
Project/Area Number |
07J01328
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山口 祐賀子 Kyoto University, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 有機分子触媒 / マンニッヒ反応 / アルドール反応 / 立体選択性 |
Research Abstract |
これまで、従来の天然物由来の有機分子触媒とは設計上全く異なる、新規軸不斉触媒を独自に開発することに成功している。本触媒を利用したさらなる反応開発を目指し、今年度は以下のような研究に従事してきた。 前年度に、アルデヒド間の直截的交差アルドール反応とα-イミノエステルとアルデヒド間の直截的不斉マンニッヒ反応において、高収率,高選択的に反応を進行させることに成功している。しかし、依然として本触媒の汎用性は分かっていなかった。そのため、今年度は本触媒を様々な基質をアルドール反応やマンニッヒ反応に適応していった。その結果、マンニッヒ反応において、アルデヒドのみならず、ケトンにおいても本触媒系が有効であることを確認した。また、従来の有機分子触媒では成し得なかった芳香族イミンを用いたマンニッヒ反応の開発においても成功し、基質の適応範囲を大きく広げることができた。本触媒を、他の有機分子触媒とは一線を画する高い一般性と実用性を兼ね備えた有機分子触媒にまで高めた。 さらに、反応機構に関する検証を行うことによって、アルドール反応において反応時間が長くなるほど立体選択性の低下が起こっていた原因が反応中の逆反応や異性化であったことを確認し、またマンニッヒ反応においては逆反応と異性化が起こらないことを立証した。 また、本触媒は従来の有機分子触媒に比べて調製過程が長いという欠点があったが、短工程化することに成功し、より容易に触媒を調製できるようになった。
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