2007 Fiscal Year Annual Research Report
単一固体粒子による乱流要素渦(Burgers渦)に及ぼす影響に関する実験的研究
Project/Area Number |
07J01337
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 洋介 Osaka University, 大学院・工学研究科, 特別研究員DC2
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Keywords | Burgers渦 / 混相流体 / PIV計測 / 乱流変調 |
Research Abstract |
本研究では、混相乱流における乱流変調の理解を進める上で重要となる乱流渦と粒子群の相互作用に着目し、その素過程である単一粒子が乱流を構成する単一の要素渦に与える影響を調べることを目的として、粒子画像計測法(PIV)を用いた流れ場の計測により、単一沈降粒子が単一Burgers渦に与える影響を実験的に解明した結果を得た。その主な成果を次に示す。 鉛直方向の軸をもつBurgers渦を発生させるための実験装置と、流体速度場の計測のためのPIVシステムの開発を行った。本システムを用いた計測により、本実験装置において粘性拡散の影響が小さいBurgers渦が発生していることの確認、およびその渦と乱流中の渦との対応関係を明らかにした。さらに、PIV計測によって得られた2次元渦度場から作成される準3次元渦度場による可視化、2次元の計測面内における見かけの発散の場を用いた粒子まわりの3次元性の強い領域の可視化など、可視化手法を提案した。 沈降粒子とBurgers渦の相互作用の検討のための基礎として、Burgers渦単独の流れ、および静止流体中での沈降粒子の誘起する流れに対してPIV計測を行い、それぞれの特徴を明らかにした。Burgers渦に対しては、沈降粒子の影響を検討する上で重要となる渦強度の時間的および空間的安定性について明らかにした。静止流体中での沈降粒子の実験では、沈降粒子の後流における渦対において、渦対と見かけの発散が対になって発生することを明らかにした。 沈降粒子のBurgers渦に対する影響を、粒子近傍での影響と、粒子から放出された後流渦の影響に分けて検討を行い、それぞれの影響についての知見を得た。まず、粒子近傍での影響については、水平な測定面上における粒子通過位置とBurgers渦の渦度の最大値との関係を求め、粒子が強制渦領域を通過する場合に渦度の最大値が増加すること、自由渦領域を通過する場合には渦度の最大値に対する影響がないことを明らかにした。次に、後流渦の影響により、Burgers渦の渦強度(循環)が大きく変動し、観測された条件と時間範開内において±20%に及ぶ大幅な増加や減少が現れる場合があることを明らかにした。また、渦度場の時間変動の観測により、そのような渦強度の特徴的な変動に対応して、Burgers渦の渦核の分裂や合体が発生することを明らかにした。
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Research Products
(6 results)