2008 Fiscal Year Annual Research Report
木星極域起源の準周期的低周波電波バースト現象の励起過程に関する研究
Project/Area Number |
07J01359
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
木村 智樹 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1) (50578804)
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Keywords | 木星磁気圏 / オーロラ / 電波 / 粒子加速 |
Research Abstract |
木星極域の周期的な高エネルギー粒子加速・オーロラ発光等との関連が示唆されている準周期的低周波電波バースト現象Quasi-Periodic burst(以下、QPバースト)は、木星極域磁気圏における周期的で強力な粒子加速過程の情報を反映する重要な現象だと考えられている。しかし、その周期性(数分、15分、40分変動)の決定要因・発生領域・発生機構等の詳細は長年不明であった。本研究では、それらの根源的物理過程を考え、極域における粒子加速過程解明を目標に研究を行った。まず申請者は、QPバーストとそれに伴う粒子加速が、磁気圏内の変動に起因するのか、太陽風等の磁気圏外の変動に起因するのかを切り分けるために、磁気圏内の磁場変動や太陽風に関するデータ解析を行った。探査機の磁場データの解析から、QPバーストと同様の40分周期をもった磁気流体波成分の中に、特徴的な位相関係が検出された。また、ユリシーズ探査機の太陽風・波動データに基づき、QPバーストの出現と太陽風変動との対応も調査した。その結果、同現象の出現と太陽風変動の間に明確な関連は検出されなかった。この事から、同現象とそれに伴う粒子加速は、太陽風が直接的に励起するものでは無ことが示唆された。本研究は現在までに、QPバーストの出現特性解析と、電波伝搬のモデル計算を組み合わせることで、同現象の励起機構に対して新しい示唆を与えてきた。本研究はユリシーズ探査機の偏波観測により、示唆されたQPバーストの励起機構に関して観測的に検証を行った。その結果、本研究のモデル計算で示唆されている励起機構と矛盾しない観測結果が得られた。上記研究結果に関して、国内外の複数の学会において研究発表を行った。また、上記研究に関連する研究結果が、学術誌(Planetary and Space Science誌)に採択された。
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Research Products
(7 results)