2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J01373
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 陽 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 心筋細胞 / 血管細胞 / アクチュエータ / マイクロデバイス |
Research Abstract |
近年、微小空間への化学プロセスの集積化の研究が世界的に注目されている。当研究室では、微小空間の物理特性効果を利用した分析、合成、細胞実験などの高効率なマイクロ化学プロセスを実現してきた。このうち、細胞実験に関する研究は世界的にも近年非常に多く報告されているが、ほとんどはマイクロ空間特性を利用した細胞実験システムであるといえる。これに対し、本研究では、心臓および血管の流体駆動・制御機能に着目し、心筋細胞および血管細胞とマイクロデバイスを融合した、電力不用の新原理のマイクロ流体デバイスを実現することを着想した。以上をふまえ、本研究の目的は、心血管細胞の機能を利用したバイオマイクロデバイスの創成とした。今年度は血管細胞マイクロ流体制御デバイス開発のための基礎検討という課題に取り組んだ。血管は、平滑筋細胞の内側を内皮細胞が覆っており、内皮細胞が血液中の化学・力学刺激を感知して様々なシグナル物質を放出し、これが平滑筋細胞に作用して血管を弛緩・収縮させ、血流を制御している。血管細胞機能の利用により、マイクロデバイスに流体制御機能を付与できると考えた。 まず、血管内皮細胞をマイクロデバイスへ組み込んだ。ヒト大動脈血管内皮細胞のマイクロチャネル内培養法を確立し、さらに、炎症発生時の白血球接着機能を実証した。以上より、内皮細胞に関する血管デバイスの基礎的技術を確立できた。 次に、血管平滑筋細胞駆動型マイクロデバイスの原理を検証した。平滑筋細胞のマイクロデバイスの組み込みにあたり、化学刺激による細胞の駆動性能を評価した。マイクロピラー上にラット大動脈平滑筋細胞を培養し、内皮細胞由来平滑筋収縮物質エンドセリン-1および平滑筋弛緩物質Y27632で刺激したところ、細胞が接着したピラーの駆動が観測され、収縮・弛緩両方を実証でき、血管平滑筋細胞に関する血管デバイス作製のための基礎的知見が得られた。
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Research Products
(4 results)