2007 Fiscal Year Annual Research Report
エキノマイシン生合成遺伝子群を用いた非リボソーム依存型ペプチド合成酵素の機能解析
Project/Area Number |
07J01378
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
纐纈 健人 Hokkaido University, 大学院・理学院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 非リボソーム依存型ペプチド合成酵素 / エキノマイシン / SF-1739 HP / マクロラクトン化 / 遺伝子クラスター / 生合成 / 酸化酵素 / L-アルギニン |
Research Abstract |
エキノマイシンのペプチド骨格を構築する非リボソーム依存型合成酵素のC末端領域に存在するチオエステラーゼドメインを部分的に発現させ、鎖状基質アナログのマクロラクトン化を検討した。末端をチオエステルとした基質アナログを固相合成し、チオエステラーゼに作用させると低収率ながら目的の環化体が得られた。しかし、加水分解が競争し相当量のカルボン酸が副生した。そこで、環化生成物のDNAへの結合能に着目し、DNAを反応系内に添加して環化生成物を捕捉することで、加水分解を抑制しようと考えた。実際、DNA存在下では、環化生成物の収率が大幅に(3.5倍)向上し、加水分解を5%以下に抑えることができた。更に、種々のアミノ酸や芳香環を導入した基質アナログ群を合成し、酵素的マクロラクトン化を検討した。DNA添加により、加水分解産物の生成が抑制され、環化効率が向上する基質アナログを見出した。また、生成したマクロラクトンが、既知化合物TANDEMと同程度の親和性でDNAに結合することを確認できた。 一方、エキノマイシンと同様にNRPSにより構築されるテトラヒドロイソキノリン系抗腫瘍物質SF-1739生合成に関与する遺伝子クラスターの取得を試みた。スクリーニングの結果、全長54kb、28個の遺伝子より構成されるSF-1739生合成遺伝子クラスターの単離に成功した。また、その中に見出された非ヘム鉄性酸化酵素(Cyal6)の機能解析を行なった。酵素反応の結果、Cyal6は、L-アルギニンを基質とし、生成物としてトランス-4,5-ジヒドロ-L-アルギニンを与えることを明らかとした。なお、新規化合物である本生成物は、SF-1739HP生合成中間体として合理的に推定できるものであり、SF-1739HP生合成機構解明に向けて大きく前進することができた。
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Research Products
(3 results)