2008 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内cAMP量の調節による海馬苔状線維の異常発芽の回避
Project/Area Number |
07J01382
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村松 里衣子 Osaka University, 医学系研究科, 特任助教(常勤)
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Keywords | 神経再生 / 皮質脊髄路 / 中枢神経 |
Research Abstract |
個体の発生段階や成体における組織の修復過程において、神経回路が適切に構築されることは、正常な神経機能を獲得するために必須である。しかしながら、あらゆる時期・場所の細胞が、どのように正確な神経回路を構築するか、について、まだ明らかでないことが多い。異常な神経回路の構築は、本来の神経機能が獲得できないだけではなく、種々の疾患を引き起こす要因であることも明らかにされている。そのため、「正確な神経回路を形成する機序」を解明することは、個体の正常な発生機構が明らかとするだけでなく、異常回路に基づく疾患の治療法の開発へ貢献できる可能性がある。 昨年度、細胞培養実験系を用いて、中枢神経系の神経回路網の形成機構の一端を明らかにした。このような培養系を用いた検討が、実際に動物個体レベルでの神経回路形成を担うことを明らかにするため、今年度は、成体動物を用いて個体レベルでの中枢神経回路網形成機構の解明を行った。その結果、中枢神経系に発現する特定の分子が、神経細胞の活性化を誘導し、神経回路の修復を促すことが示唆された。今後は、今年度明らかにした知見が、実際に中枢神経疾患の治療や予防に貢献するか検討していく予定である。
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Research Products
(3 results)