2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J01393
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀 美菜 The University of Tokyo, 東京大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | カンボジア / トンレサーブ湖 / 小規模漁業 / インタビュー調査 |
Research Abstract |
トンレサーブ湖周辺の農村地域において小規模漁業がどのように営まれているかを明らかにするため、7月から8月にかけてバッタンバン州、プルサト州、シェムリアップ州の農村3村、1村当たり40世帯を対象として、質問票を利用したインタビュー調査を行った。これより、農業生産性の高い地域においては、自家消費分の米は稲作生産で賄うことが出来、家計収入においては米の販売による現金収入があった。これらの地域における小規模漁業は、村内の水田や村周辺の河川など家から近い漁場において農繁期(雨季)、主に自家消費目的に営まれていることが明らかとなった。一方シェムリアップ州のように賃金労働の機会が多い地域では、多くの人がホテル従業員や工事現場、大規模農園の収穫ワーカーなどに従事し、家計の多くを賃金労働による収入が支えていることが明らかとなった。 これより、トンレサーブ湖周辺の農業地域における小規模漁業は、農業生産性の低い地域においては、漁獲物の販売目的に商業的に営まれ、漁業収入は家計収入においても重要な役割をはたしているものの、農業生産性が高い地域においては主に自家消費目的で家の周りの水田などで営まれることがわかった。 更に、専従漁業者による漁業について、シェムリアップ州とプルサト州の2村において質問票を利用したインタビュー調査を行った。 これより、専従漁業者による漁業は、クメール人やベトナム人といった民族の違いを超えて、その内容はほぼ同じであった。家計収入はそのほとんどが漁業による収入に支えられていた。これは、彼らの多くが土地を所有していない、または家を建てる程度の大きさしか所有しておらず、農地を持っていないために生産手段が漁業または賃金労働に限られるためであった。
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Research Products
(2 results)