2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J01394
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
永田 健一 Osaka City University, 大学院・医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 神経 / 再生 / 発生 / ノックアウトマウス / プロテアーゼ |
Research Abstract |
神経再生関連分子DINEの機能を明らかにするために、DINEノックアウトマウスを解析した。まず、KOの横隔膜において、シナプス形成に必須の役割を果たすMuSK、AChR、LRP4、Dok-7の発現に変化が認められるかどうか、RT-PCR法により検討した。これらの遺伝子の欠損マウスではbranchingの顕著な乱れが生じることが報告されている。しかし、コントロールマウスと比較して、これらの分子の発現に変化は認められなかった。次に、S100抗体(シュワン細胞マーカー)を用いたwhole mount免疫染色により、シュワン細胞に異常が認められるかどうかを検討した。コントロール、KOの横隔膜ともにシナプス形成部位にはS100の陽性反応が認められ、シュワン細胞が存在していることが分かった。同様の結果は、電子顕微鏡を使って、シナプスの微細構造を観察することでも確かめられた。これらの結果より、DINE欠損により生じるbranching異常は、筋細胞やシュワン細胞の極端な変化によるものではないことが示された。 また、DINE抗体とNeurofilament抗体(神経マーカー)あるいは蛍光ラベルされたα-bungarotoxin(シナプス後膜マーカー)を用いて、蛍光2重染色を行い、タンパクレベルでのDINEの局在について検討を行った。胎生期の腓腹筋において、DINEとNeurofilamentの陽性反応は重なり、また、DINE陽性反応とBTX陽性反応は隣接してみられた。これらの結果から、DINEは筋内の運動神経軸索に存在し、さらに軸索終末にまで輸送されていることが明らかとなった。ノックアウトマウスの解析により得られたデータと併せて考察すると、DINEは神経細胞の軸索に存在し、何らかの機構で筋内でのbranchingを促進していると予想される。
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Research Products
(3 results)