2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J01409
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
末松 卓真 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ミトコンドリア翻訳系 / 線形動物 / EF-G1 / リボソーム / EF-Tu |
Research Abstract |
本年度は、大腸菌を用いたC.elegansミトコンドリア(mt)EF-G1の大量発現系を構築し、精製に成功した。得られたEF-G1組換え体は、大腸菌リボソーム上でtranslocation活性を保持しでいるととから、このmtEF-G1は大腸菌リボソーム上でも機能し得ることが明らかとなった。また、大腸菌EF-Gのtranslocation活性を阻害する抗生物質フシジン酸に対し、C.eleans mtEF-G1は抵抗性を示した。これらの性質は哺乳類ミトコンドリアEF-G1と類似した性質であることから、大腸菌リボソーム上においては、哺乳類、C.elegans両者のmtEF-G1は類似した機能を有することが示唆された。この成果は、線形動物mtタンパク質合成系の試験管内での再構築に向けた大きな一歩であると言える。 また、mtリボソームの精製については、C末端側にペプチドタグを付加したmtリボソームタンパク質前駆体候補遺伝子の組換え体を発現する形質転換線虫を作製中である。本年度までに、ピスチジング及びSタグを並列に付加したmtリホポソーム小サブユニットのS2タンパク質を発現する形質転換体の作製に成功しているが、mtリボソームの精製までには至っていない。現在は、他のペプチドタグやmtリボソームタンパク質を利用した形質転換線虫を作製中である。 EF-Tnに関しては、現在EF-Tu1及びTu2の遺伝子破壊株を利用して、他生物のEF-Tuを発現する形質転換線虫を作製中である。
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