2008 Fiscal Year Annual Research Report
直接的触媒的不斉反応による4置換炭素の構築と錯体高次構造機能の制御
Project/Area Number |
07J01415
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 暁丈 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 不斉触媒 / マンニッヒ / ルイス酸 / ブレンステッド酸 / ブテノライド |
Research Abstract |
私は前年度にβ,γ-不飽和エステルを求核剤とした直接的触媒的不斉マンニッヒ型反応の開発に成功している。これはジエノラートを経由し、α付加選択的に進行する反応であるが、ジエノラートがγ付加選択的に進行する反応も興味が持たれる。β,γ-不飽和エステルを求核剤とした場合はγ付加選択性を発現するのは困難であったため、γ-ブテノライドをジエノラート源とするγ付加選択的な直接的触媒的不斉マンニッヒ型反応の開発に焦点を切り替えた。初期検討の結果、ランタントリフレート、TMEDA、PyBox配位子からなる錯体が高いジアステレオ選択性でγ-ブテノライドとイミンの間のマンニッヒ型反応を触媒することがわかった。しかしながら収率、エナンチオ選択性には未だ改善の余地があったため、さらに検討を重ねたところ、ブレンステッド酸の添加が反応結果に大きな影響を及ぼすことが判明した。種々のブレンステッド酸を試した結果、トリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)が最も良い結果を与えることがわかった。本反応条件はエナミドへと異性化しやすい脂肪族アルデヒド由来のイミンに対しても適用可能であり、良好な収率とエナンチオ選択性を与えた。次にTfOHの役割を解明すべく、NMR解析を行った。するとTfOHはランタントリフレートに配位しているTMEDAをプロトン化し、PyBoxの配位を促進していることが示唆された。今後はさらなるエナンチオ選択性の向上と、基質適用範囲の拡大を目標とする。またβ,γ-不飽和エステルを求核剤とした直接的触媒的不斉アルドール反応の開発にも取り組む予定である。
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Research Products
(2 results)