2009 Fiscal Year Annual Research Report
ウィルス様カーゴカプセル固定化基板によるセルトランスフェクションアレイの開発
Project/Area Number |
07J01441
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大竹 範子 (石塚 範子) Hokkaido University, 大学院・理学院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ウイルス / ドラッグデリバリー / 蛍光相関分光 / ナノカプセル / ペプチドタグ |
Research Abstract |
本研究は、薬剤内包ウイルスカプセルを基板へ固定化してセルトランスフェクションアレイを作り、薬剤高速スクリーニングや特定細胞における網羅的な遺伝子機能解析が可能なシステムを構築することを目的としている。これまでに申請者は、ウイルスのタンパク質のみから形成されるウイルスカプセルの高い標的性と細胞導入率に着目し、薬剤キャリアーとして使用するために、カプセル内部に機能性タンパク質を内包する手法を見出してきた。ウイルスカプセルをより実用的なキャリアーとするために、内包した薬剤を任意の場所で選択的に放出させる機構の構築が求められている。そこで当該年度では、目的分子を取り込んで刺激に応答して放出する機能をウイルスカプセルに付加し、薬剤キャリアーとしての可能性を広げることを目的とした。 ウイルスカプセルに6つのヒスチジンからなるhis-tagを導入することで、特異的かつ可逆的な薬剤分子の結合と、pH低下にともなった放出が可能となることを明らかにした。また、薬剤モデル分子を担持させて細胞へ作用させると、細胞に取り込まれた後に細胞内において分子を放出することを示した。これらの結果は、副作用を抑えた効果的な治療のために重要な薬剤送達システムや、薬剤高速スクリーニングを可能とするセルマイクロアレイにおけるウイルスカプセルの薬剤キャリアーとしての有用性を他に先駆けて見出したという点で重要性が高い。
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Research Products
(7 results)