2007 Fiscal Year Annual Research Report
ウィルス様カーゴカプセル固定化基板によるセルトランスフェクションアレイの開発
Project/Area Number |
07J01441
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大竹 範子 (石塚 範子) Hokkaido University, 大学院・理学部, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ウイルスタンパク質 / ナノカプセル / セルトランスフェクションアレイ / ドラッグデリバリー / シアル酸 |
Research Abstract |
多くの遺伝子機能や相互作用を網羅的かつハイスループットに解析する技術として、セルトランスフェクションアレイが注目されている。遺伝子などの薬剤を培養基板上に固定化し、そこへ細胞を播くだけで薬剤が細胞内に導入されるこの手法は、細胞が生きた状態のまま、多種類の遺伝子やタンパク質等の機能を同時に迅速かつ簡便に観察することができるという点で非常に重要な手段だが、その方法・技術に関しては未開発であり、基板への固定化薬剤も核酸だけに限られていることが多かった。そこで本研究では、ウイルスタンパク質が自己集合したナノスケールのウイルスカプセルに薬剤を内包して基板へ固定化し、新規セルトランスフェクションアレイを作製することを目的とした。 ウイルスカプセルに、核酸だけでなくタンパク質やこれまで固定化が難しかった低分子などの薬剤を内包することで、複数の薬剤を同時に細胞に導入することができ、多種類の遺伝子やタンパク質の複合機能解析が可能となるものと期待される。まず、大腸菌発現系でウイルスカプセルを作製し、CsClを使った密度勾配遠心法によって精製した。ウイルスカプセルはシアル酸に特異的に結合するため、糖転移酵素を用いてシアル酸を提示したポリマーを合成し、そのポリマーを介して基板への固定化を行った。その結果、シアル酸提示ポリマーを吸着させた基板には何も処理していない基板よりもウイルスカプセルの固定化量が増大することがわかった。次に、可視化のためにFITCで修飾したウイルスカプセルを同様に基板へ固定化し、その上で細胞を培養した。フローサイトメトリーや共焦点顕微鏡で観察を行ったところ、基板に固定化したウイルスカプセルの細胞内への導入が確認された。
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Research Products
(5 results)