2008 Fiscal Year Annual Research Report
non-LTRレトロトランスポゾンの転移における細胞DNA修復系の寄与の解明
Project/Area Number |
07J01450
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小島 健司 Tokyo Institute of Technology, 大学院・生命理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | non-LTRレトロトランスポゾン / 転移 / 修復系 |
Research Abstract |
前年度の研究において、ヒト、チンパンジー、アカゲザルのゲノム配列比較により、ヒト特異的な挿入、チンパンジー特異的な挿入を網羅的に取得する手法を開発した。本年度においては、前年度の手法を改良し、オランウータンのゲノム配列を加える事でより多くの種特異的挿入を得る事が可能となった。LINEのL1、SINEのAlu、mRNAの転移産物であるretrocopyの構造を比較することで、逆位が全ての転移産物で起こる事が明らかとなった。特に、mRNAの転移においてもL1の転移と同様に逆位が見られたのは新規の知見である。これはL1の酵素による転移において逆位が普遍的な現象であることを示している。また、逆位を利用する事でL1がmRNAを転移させるという現象がヒト以外にどの生物で起こっているのかを分子生物学的実験によらず明らかにする事ができると期待される。実際、マウスにおいてL1の逆位とmRNA retrocopyの逆位を発見し、マウスでもL1がmRNAを転移させていることが示された。本内容はMolecular Biology and Evolution電子版に既に掲載され、冊子版にも掲載予定である。 また、逆位が起こらず、5'側か欠失した転移産物において、L1の転移の場合にのみ、短いTSDが形成されることが明らかとなった。TSDはL1のエンドヌクレアーゼが切断するDNAの位置が2本の鎖で異なる事によりできると考えられている。しかしながら切断は全ての転移でL1のエンドヌクレアーゼが共通して触媒すると考えられることから、L1の転移の際に切断されたDNAの末端が削られていると考えられ、他とは異なった宿主因子が関与している事が推測された。
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Research Products
(7 results)