2007 Fiscal Year Annual Research Report
がん幹細胞の自己複製を誘導する分子基盤の解析とその制御
Project/Area Number |
07J01463
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
長濱 由美 Osaka University, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | PSF1 / 腫瘍 / プロモーター / バイオイメージング |
Research Abstract |
PSF1の転写活性をがん細胞内でイメージングし、がん幹細胞の増殖を個体内で可視化する目的で、PSF1遺伝子のプロモーター領域の遺伝子の単離と、このプロモーター遺伝子を用いた細胞内における細胞周期とPSF1遺伝子の転写活性に関しての基礎データーを蓄積した。BACクローンよりPSF1遺伝子の転写開始点から上流約5.5kbを単離し、この領域をルシフェラーゼベクターに組換え、NIH3T3細胞に遺伝子導入しルシフェラーゼアッセイを行ったところ、GO期で転写活性が減少し、これは内因性のPSF1遺伝子の発現と一致した。このことから、単離した領域で内因性のPSF1の転写活性をモニタリングできることが判明した。 上記のプロモーター遺伝子制御下にEGFPを発現するベクターを作製し、グリオーマ細胞株(C6)に遺伝子導入し、安定細胞株(C6-PSF1-EGFP)を樹立した。C6-PSF1-EGFPをヌードマウスに移植し、移植片から腫瘍細胞を採取し、EGFP強度の高いもの、低いものに分けて解析を行った。EGFP強度とPSF1mRNAの発現は相関し、EGFPの強度の高いものは移植腫瘍細胞全体に比べて、SおよびG2/M期の細胞が多いことが分かった。さらに、コロニーアッセイにより、EGFP強度の高いものは、plating efficiencyが高いことが示された。これらのことから、EGFP強度の高い、すなわちPSF1の転写活性の高い細胞群は、分裂活性の高い細胞群であることが示唆された。このPSF1の転写活性をイメージングする方法を用いることで、腫瘍組織中で、分裂活性の高い細胞をイメージングし、個体の腫瘍モデルに応用することが可能となった。これらの成果は、本年度の日本癌学会で報告した。
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Research Products
(4 results)