2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J01486
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石原 祐樹 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | シガトキシン / ELISA / 8員環F環部CTX3C / ポジティブコントロール |
Research Abstract |
シガトキシンは、主に熱帯・亜熱帯地方で頻繁に発生する世界最大規模の自然毒食中毒シガテラの主要原因毒である。その毒性は、神経細胞に存在する電位依存性Na^+チャネルに結合・活性化して発現する。電位依存性Na^+チャネルは、感覚・思考・運動など多くの生命活動に関わる重要な膜タンパク質であるが、有機化学レベルでの動的挙動は解明されていない。我々は、シガトキシンの合成化学的供給による毒性発現機構の解明およびシガテラ中毒の治療・予防法の開発を研究目的としている。 すでに我々は、シガトキシンを高感度・高選択的に検出できるELISA法を開発し、現在その実用化が期待されている。しかしながら実用化する際に、シガトキシン検出キット自身の信頼性を確認するための無毒かつ高感度のポジティブコントロールが必要となった。本研究において私は、シガトキシンの代替品として8員環F環部CTX3Cを設計・合成した。このアナログはこれまでに確立された方法論を適用することで全合成中間体から誘導することができ、また期待通り、無毒(マウス急性毒性:>667μg/kg)で、上記ELISA法にて高感度(~8pg/ml)で検出可能であった。以上のように8員環F環部シガトキシンのELISA用ポジティブコントロールとしての有用性を示すことができた。
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Research Products
(2 results)