2008 Fiscal Year Annual Research Report
マクロファージに発現する新規リパーゼを介した動脈硬化メカニズムの解析
Project/Area Number |
07J01519
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
関谷 元博 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 動脈硬化 / マクロファージ / コレステロール |
Research Abstract |
1)昨年度までは研究対象の酵素MCEHとしていたが、最終的に成果報告時にneutral cholesterol ester hydrolase(NCEH)と修正した。昨年度までにNCEH欠損マウスとHSL欠損ヤウスを交配し二重欠損マウス(DKO)を作成、NCEH、HSLがそれぞれマクロファージのコレステロールエステラーゼ活性の約50%を説明し、二重欠損で野生型の約10%となることを示した。またHSL欠損に比して、NCEH欠損は泡沫化の増強、コレステロールの細胞外放出の低下が強く、DKOでは相加的に2つの酵素欠損の効果が現れていた。 これらin vitroの実験の結果を踏まえ、本年度LDL受容体欠損マウスをrecipientとし、wild-type、HSLKO、NCEHKO、DKOをdonorとした骨髄移植実験を行い、マクロファージ特異的にLDL受容体欠損マウスにおいて各酵素を欠損させ、動脈硬化病変を評価すると、in vitroの泡沫化実験と同様の結果となった(en face analysis:HSL欠損:1.9倍、NCEH欠損:2.6倍、DKO:4.7倍、cross-sectional analysis:HSL欠損:1.4倍、NCEH欠損:1.7倍、DKO:2.3倍)。 2)昨年度までにNCEH欠損マクロファージが25-hydroxycholesterolにより著明にアポトーシスが誘導されること、そのメカニズムとしては酸化ステロールエステルのERでの蓄積とERストレス経路の関与があることを示していた。本年度apoE欠損マウスにNCEH欠損を加えると、その動脈硬化病変でも著明にアポトーシスが誘導されていることを示した。またLDL受容体欠損マウスはNCEH欠損が加わるとapoE欠損マウスと異なり、血清コレステロール、トリグリセライドが低下し、NCEH欠損によって動脈硬化病変面積が増加しなくなったが、このモデルにおいてもNCEH欠損はアポトーシスを増加させていた。
|